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  I live on the 8th floor... ライカM8で観た景色 by andoodesign

+ 物足りない写真

先週からアンリ・カルティエ=ブレッソンのDVD「瞬間の記憶」を何度か見返しています。
共に、写真集「SCRAP BOOK」エッセー集「こころの眼」にも目を通しました。
DVDの中で、氏は過去に写した自身のプリントをめくりながら、思い出を語ります。
僕はそのシーンを見るごとに、それらの写真が撮られた瞬間にカルティエ=ブレッソンが抱いた高揚感を想像し興奮しています。
物足りない写真_e0135059_1940277.jpg
「不在」
HASSELBLAD SWC/M with Carl Zeiss Biogon C 38mm F4.5 T*
KODAK 400TX

僕は知らない人にカメラを向けるのが苦手です。
嫌いということではありません。
むしろ自分の写真を見て、ここに人物が歩いていれば良いのにな...、と思うことがしばしばあります。
家族や友人の写真を撮るのも好きです。
撮っている写真のほとんどは「お散歩写真」なので、元から状況は限られるのですが、興味を持ったロケーションで「イメージを抱き」そして「待つ」ことが出来ていないのが原因だと思います。
もちろん、盗撮などと誤解を受けてトラブルに巻き込まれることへの警戒心も、その行動を阻んでいる一因です。
モデルを用意して、そんな状況を無理に作ろうとも思いません。
反して、カルティエ=ブレッソンの写真を見るたびに人物入りの写真を撮りたい気持がつのります。
美しい景観より、ポートレートより、ありふれた風景に偶然参加してくれた名も知れぬ登場人物を。
例えば上の写真、画面の左、或いは右に通り過ぎる人物が居たら、何らかの物語が生まれそうな気がします。
(あくまでも、僕の主観です...)
そこで、僕に出来ることは、少しだけ待つこと。そして、少しだけ歩幅を変えて歩くこと。
by andoodesign | 2009-03-03 22:36 | 写真