+ 写真と黒
とは言え、ベタな黒を持っていても立体感や空間を感じる写真もあります。
しかも、「黒」の存在によって、より質感や色彩が際立つことすらあるのです。
LEICA M6 0.85 HM + P. ANGENIEUX 90mm F1.8 TYPE P1 + FUJI RVP100
LEICA M6 0.85 HM + P. ANGENIEUX 90mm F1.8 TYPE P1 + FUJI RVP100
春の日差しを浴びた、明治神宮の鳥居と代々木の杜です。
影が完全に真っ黒です...
辛うじて光が差したエリアとのバランスが保たれているのではないか...?と思われる2枚です。
そこで、言い訳を...
金箔を輝かせるために仏像の下地には「黒漆」が塗り重ねられます。
絵画の世界でも、金に見える輝きを色彩で表現するためには「黒」が欠かせません。
単体では形を持たない「黒」も平面の世界ではとても役に立っています。
写真の世界でも同様の場面があることを感じる事があります。
「黒」は単に階調の幅を作るために存在するだけでなく、質感や色彩を押し出す力を持っています。
光の存在は「闇」があるからこそ...。とでも言いましょうか?
色面を切り取る効果もありますので、構成的な画面を作ることにも役に立ちますよね。
とは言え、ただ暗くすれば良いってもんじゃないし、「黒」が無い良い写真も沢山あります。
コントラストだって、強くてかっこいい写真もあれば、弱くて優しい写真もあります。
要はバランスなんですよね...。
ただ、今日は「黒く」なってしまった写真を見て、そんな連想をしたわけです...。
そんなふうに「黒」を肯定したところで、再現性が無ければ説得力は無いですけどね。